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【連載】児童文学作家 廣嶋玲子のふしぎな世界

偕成社 小峰書店 静山社 理論社 講談社

2020/08/20

【連載】第3回「十年屋」シリーズ 執事猫カラシさんインタビュー

【連載】第3回「十年屋」シリーズ 執事猫カラシさんインタビュー




インタビューに答えてくれたのはこの方!

執事猫 カラシ
オレンジ色の大きなもふもふの猫。得意な手作りのおかしでお客さんをもてなす、十年屋の大事な執事猫。




●カラシさんと十年屋の出会いとは……?
――十年屋に大切なものを預ける人たちの元にはいつも、カードが届きますよね。どうしたらカードを受け取ることができますか?

本当に十年魔法を必要としている人に、カードは届くようになっているなのです。

――十年屋にお客様がやってくると、カラシさんはいつもお菓子と飲み物を出されますよね。それはなぜですか?

それはもちろん、お客様をおもてなししたいからなのです。


――「ココナッツ入りのクッキー」や「ドライフルーツがどっさり入ったマフィン」など、カラシさんが作るお菓子はとても美味しそうです。お菓子作りは誰に習ったのですか? どうしてお客様の好みがわかるのでしょうか?

お菓子作りは本を見ながら、だんだん上手になっていったなのです。お客様の好みがわかるのは、猫の第六感なのです。
ココナッツ入りのクッキー(左)とドライフルーツがどっさり入ったマフィン。
――カラシさんの好きなお菓子や飲み物はなんですか?

お魚の形をしたクッキーと、はちみつ入りのミルクなのです。

――「はいなのです」「執事のカラシなのです」というように「〜なのです」という口調が個性的ですね。どうしてそんな口調になったのですか?

執事猫なので、ていねいな言葉遣いをしなくてはと、気をつけているうちに、自然とこうなったなのです。
――十年屋には、お客様の悩みや願いを聞き、寿命一年と引き換えに大切なものを十年間預かる契約を交わすマスターの「魔法使い」さんがいらっしゃいますね。カラシさんにとって「魔法使い」さんは、どのような存在ですか?

マスターは……マスターなのです。カラシのご主人で、ええっと、大好きな人なのです。カラシを執事猫にしてくれたのも、マスターなのです。

カラシのご主人、十年屋。“時間魔法”の使い手。栗色の髪に銀縁のめがねをかけたおしゃれな魔法使いで、本当の名前はひみつ。
――カラシさんは、十年屋のれっきとした従業員で、三食つき、お給料もいただいているそうですね。十年屋で働きはじめたのはどんなきっかけからだったのでしょう?

それについては話したくないなのです。ちょっと……悲しい思い出があるなので。

――十年屋に大切なものを預けにくるお客様は、本当に困っていたり、心が温まるような理由でいらっしゃる方もいれば、自分勝手だったり、後ろめたい理由でいらっしゃる方など、さまざまですよね。
お客様の中で、カラシさんがとくに印象に残っている方がいたら教えて下さい。


アルバムを預けに来たお客様は、いやだなあと思ったなのです。「その猫、どこかやって」といわれて、むっとしたなのです。
あと、酔っ払っていたお客様。いきなり「チューしてあげる」と言われて、びっくりしたなのです。
――カラシさんは、十年屋になにか預けたいと思われたことはありますか?

……この前、失敗したイチゴのジャムを預けたいなのです。鍋一杯作ったのに、焦がしちゃったなのです。もったいなくて捨てられなくて、でも見ているのもつらくて、まだそのまま置いてあるなのです。

――十年引き取り手のなかった商品に作り直しの魔法をかける、身なりが突飛なおばあさんのツルさんが後半登場しますね。
カラシさんはツルさんにとても気に入られているようですが、カラシさんはどう思っているのでしょうか?


ツルさんは、じつはちょっと苦手なのです。元気よすぎて、カラシ、目がちかちかしてしまうなのです。
十年屋のご近所ツルさん。“作り直し”が得意なおばあさん魔法使い。元気いっぱいで、ちょっとおせっかい。
●絵本ナビユーザーの声
からしちゃん可愛い
作り直し屋が面白かったので、こちらも読みました。猫のからしちゃんが可愛い!
時間の魔法使いの十年屋がさまざまな事情のある方から品物を十年預かるというお話。
人気の銭天堂より全体的に明るく優しい雰囲気の物語が多く、私は十年屋とっても気に入りました。 息子は銭天堂の方が好きとのことですが、こちらも夢中で読んでいました。
(lunaさん)
「ふしぎ駄菓子屋シリーズ」の洋版!?
「ふしぎ駄菓子屋シリーズ」の洋版という感じです!! 簡単には行けないところ・・・
廣嶋さんの作品は本当に、裏切りません。 表紙の絵もとても素敵です。
「ふしぎー」シリーズは、黒猫ですがこちらは、なんともオレンジ色! お茶屋お菓子を作ってくれるところは あんびるさん作品を思い出してしまいますが(笑
素敵な執事なんです。
お話も相変わらず、心がきれいなこどももいれば、心の醜い大人もいれば、おじいちゃんと孫のお話とか、なんとも、なんとも人間の業を見せてくれます。
「10年ひと昔」
大切なものを10年もの間預かってくれるなんて・・・ さて、私が預けたいモノはなんでしょう・・・ もしかして、預けたことあった??? と、想像する楽しさもあります。
魔法って、信じていませんが、本の世界では、広がりを見せてくれるアイテムで、心躍らせてくれます。
(しいら☆さん)


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