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【連載】木村カエラはじめての絵本出版記念連載「私の出会った絵本たち」

KADOKAWA

2018/04/19

【連載】楽しかった絵本づくり

【連載】楽しかった絵本づくり

木村カエラさんが手がけた初めての絵本『ねむとココロ』。カエラさんの大好きな絵本や、絵本制作への思いを紹介してきた連載も、今回が最後です。
最終回では『ねむとココロ』の絵づくりに関することや、制作を終えた感想などをお伺いしました。
●紙の質感を感じる温かい絵が大好き
――前回のインタビューで、好きな画材は「ポスカとクーピーの組み合わせだった」と教えていただきました。では、絵を描く「紙」はどんな風に選びましたか?
以前から家でお絵かき用に使っていた、スケッチブックの紙に描きました。ポスカとクーピーの組み合わせを思いついたのも、スケッチブックのおかげだったんです。けっこう紙がザラザラした感じがするのですが、ポスカで絵を描いた上にクーピーで色を乗せると、紙のデコボコした質感が出てくるのが好きで。
描いているときにすぐに色が探せるように、愛用のクーピーには目印が。
――そうだったんですね。質感が出ていて、温かみを感じるすてきな絵だと思います。
そう言っていただけると、うれしいです!
――描いた中で、一番好きな絵はどれですか?
ねむくんが、部屋で目覚める絵です。前から順番に描いていったので、この絵はけっこう最後の方に描いたんですが、それまではずっと、木の絵を描き続けていたんですね。毎日「もう、この森から抜け出したい!」と思っていたので、まったく違う世界の絵を描くことができたときには、すごくうれしかったです。だから「森から抜けた?!」という開放感がありました。ねむくんの、ねぼけた表情も好きです。
――カエラさんが絵本を作っているときに、楽しかったことはなんですか?
「これを読んだ誰かが、元気になってくれるといいな」と考えながら絵を描くのが、すごく楽しかったです。「この絵本を読んだら、友だちはどう思うかな?」とか、「こんなにいっぱい木を描いたら、絶対にマネージャーさんが褒めてくれるだろう」とか。読んだ人をびっくりさせたい気持ちだったり、よかったねと褒めてもらいたい気持ちだったりと、とにかく楽しい気持ちが止まりませんでした。

――そうだったんですね。では逆に難しかったことはなんでしたか?
そうですね…。やっぱり描く前に画材を選んだり、どういうタッチの絵にしようかと悩んだりしたときかな。でも決まってしまった後は悩むことはまったくなかったです。下絵を描くのも、頭の中でバンバンと決まっていったので、あとはひたすら手を動かしていくというだけ。そこはスムーズに進んで楽しかったですね。
――編集者さんからは、なにかアドバイスがありましたか?
私が迷っている部分を感じると、キーワードのように「カエラさんらしく」と言われました。例えば、森の木の色。パッと思い浮かんだのが「赤と白のシマシマ」だったんですが、色塗りをしたときに「やっぱり木は緑かな? シマシマは残したいから緑と青にしよう」と思って、緑と青で塗ったんです。でも「やっぱり違うな」と、自分では感じていて。そうしたら見事に「カエラさんらしくない」と言い当てられてしまったので、びっくりしました。
森に生えている木は、カエラさんが大好きなシマシマ模様。
――そうだったんですね。カエラさんご自身をよく知っている編集者さんは、その違和感を見抜いたんですね。
うん! 導きのプロです。それからは、「下絵の段階で思いついた色は、絶対に変えないでいこう」「頭の中で思いついた色が、木村カエラの色なんだ」と決めて、自分のインスピレーションを大事にするように気をつけました。
――楽しさや難しさを感じながらも、前向きに取り組んできた絵本が、いよいよ4月22日に発売されます。どんな方に読んで欲しいですか?  
そうですね……ねむくんのように、イライラを抱えている子どもに、どう接していいか悩んでいる「大人」に読んで欲しいです。
ねむくんは、7歳くらいの男の子という設定なんですが、年齢によって反抗期がありますし、新しいことを始めたときに、子どもの心ってすごく揺れ動くと思うんです。でも子どもだから、うまく言葉にできなくてイライラしちゃうんだと思うので、そこをうまく吐き出させてあげられるように、大人が話を聞いてあげられたらいいんですが、なかなかうまくいかないと思うんです。
そんな時に、ココロちゃんみたいに、すごく素直な気持ちで「ちょっと心配なんだよ」と子どもに声をかけられたらいいな、愛情をどんどん表に出していけるようになったらいいなと思います。
――確かに、子どものイライラに気づきつつも、どう接していいのかわからないという気持ちは、大人なら一度は経験があるかもしれませんね。お子さんにとっても、自分のことを心配してくれる大人の存在は、すごく安心を感じると思います。
そうなるといいな。
あと、子どもたちが『ねむとココロ』を読んで、自分の胸にもココロちゃんという生き物がいるという感覚を持ってもらえたらいいなって思うんです。心は目で見たり触れたりするものじゃないけれども、自分の中にココロちゃんがいると思ったら、「苦しんでいるかな? 泣いていないかな?」と、自分のことを考えてあげられるようになれるかなと思って。
やっぱり、自分を大切にしないと他人も大切にできないし、自分の痛みと向き合うことができないと他人の痛みもわからないと思うんです。この絵本が、そういうきっかけになったら、世界がすごくおもしろく変わっていくんじゃないかなという期待を持っています。
――そうなるとうれしいですね。
インタビュー・文:中村美奈子(絵本ナビ編集部)
撮影:コザイ リサ

ねむとココロ ねむとココロ」 作:木村 カエラ 出版社:KADOKAWA

2004年のメジャーデビュー以降、アーティストとして、数々の曲を発表し、多くの人々から支持を集める木村カエラさん。
そんなカエラさんがデビュー当時からの夢であった「絵本」を初めての描きおろしで出版することが決定しました!
小さい頃から絵本が大好きで、自身の作品の創作にもインスピレーションを受けているという彼女。
今回、カエラさん初となる絵本は、アルバム『PUNKY』に収録されている「BOX」という曲をもとにして描かれています。

いつも何かモヤモヤとした気持ちを抱えていたねむ君=B
そんな気持ちをどうしていいかわからなくなった時、
ココロちゃん≠ノ出会います。
そして、ココロちゃんと話していくうちに、ねむ君は、
本当の自分の心≠ノ必要なものは何かということに気づいていく……。



「BOX」の歌詞にある「これからも この先も わたしらしくありたい 
キラキラワクワク いつもしていたいから」
  ―そんな心を持っていてほしい―。
そんなカエラさんの気持ちを込めて1冊の絵本にしました。

子供から大人まで楽しんでいただける内容となっていますので、
ぜひお手に取っていただければと思います。



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