ゆうたくんは、机にむかって絵を描いています。
なにを描いているのかな?
まるくって、茶色くって。
それは、ゆうたくんの大切なくまのぬいぐるみのくうちゃんです。
でも、くうちゃんはなんだか不満そう。
(ぼくじゃないよ。にてないもん。)
その時、春風のいたずらで、壁にはったゆうたくんの絵が机の下に落ちてしまいます。
しらんぷりをきめこんだくうちゃんでしたが、
とたんに心配になってきて・・・。
大好きなゆうたくんが描いてくれたぼくの絵。
なくなったらがっかりするかな、ゆうたくん。
まるでくうちゃんの思いが届いたかのように
春風に包まれたくうちゃんは少しだけ動けるようになるのです。
ようやく見つけたゆうたくんの絵。
でもそこにねこのミーヤがとびかかってきて・・・。
ニャーッ!!たいへん。くうちゃんは?ゆうたくんの絵はどうなったのでしょう。
物語は、くまのぬいぐるみのくうちゃんの視点で描かれています。
くうちゃんがゆうたくんを思うきもち。
ゆうたくんがくうちゃんを思うきもち
だれかを自分のことのように大切に思うきもち。
きみはぼくだね。ぼくはきみだよ。
優しい気持ちにさせてくれる、かさいまりさんと岡田千晶さんの絵本。
その思いはきっと相手に届くものなのですね。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
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