「たいへんだ。け、けやきの下で…」と雪の山から、旅人がかけおりてきた。里のしゅうがかけつけると、あかんぼうがきゃっきゃっと、元気な声をあげていた…。オールカラーの楽しい絵童話。
山のけやきの下で生きていた赤ん坊の太郎をめぐる数奇な運命は、数々の不幸をもたらして、悲しいお話です。
太郎のそばで死んでいた母親のくだりはなまめかしいので、ちょっとどぎまぎしてしまったのですが、最後に語られるけやきのなまめかしさには、あっけにとられました。
くすのきじいさんの語る数奇な運命物語は、けやきの気まぐれに始まっていたのです。
山には不思議なことが起こるものだということに、妙に納得してしまいました。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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