舞台は、1943年のニューヨーク。八百屋の少年ライナスは、オレンジを注文するひとりの画家と親しくなる。その人を「ミスターオレンジ」と呼び、まっしろな壁に原色の四角を貼りつけた明るいアトリエに魅了される。ナチスが支配するヨーロッパから命がけで逃げてきたその画家は、ライナスにとって特別な存在となる。兵隊になった兄を誇りに思うライナスは、少しずつ「現実」の戦争の恐ろしさに気がつく。そして、ミスターオレンジを通し、新しい「未来」に出会い、想像の自由を守ることの意味を自分で考えはじめた…。
芸術の持つ力、想像力を強く印象づけられる作品。
少年・ライナスがオレンジを配達する先は、画家のモンドリアンだった。本当の名前を知らないままミスター・オレンジと呼んでいた。
時代は第二次世界大戦中のニューヨーク。家族の一人が戦争に行っているというだけで、戦地ではなくても生活には暗い影がさしてくる。
ライナスとモンドリアンの会話は、そんな日常に光を照らしてくれるように感じられた。
(はなびやさん 50代・ママ 男の子19歳)
|