アスファルトの地面にポツンと刻まれた、かわいらしい肉球。
そう、少しばかりまぬけな、ネコの足跡です。
でももしそれが、カピバラの足跡だったら?
はたまた、迷子のコアラのだったら?
すぐに「あ! コアラだ!」なんてわかる人は、きっと本書の著者だけ。
40年にわたり動物園につとめ、手がた・足がたを収集した小宮輝之さんが手がける、まったくあたらしい動物の絵本!
本書では、様々な手がた・足がたについて、それがなんの動物かを問うクイズ形式で紹介していきます。
ヒントもなしにそれぞれの足がたがどの動物のものか当てられたら、もう立派な動物博士です!
まるで見たことのない足がたの数々ながら、実は、そのどれもがおなじみの動物たちのもの。
足がたから動物を紐解くという視点があまりにも新鮮すぎて、よく知っているつもりの動物でも、こんな足の形をしていたのかと、何度もおどろかされます。
人差し指と中指がくっついていたり、五本ではなかったり——
動物たちと人間の体がまるでちがうのだということを、あらためて実感させられました。
象は足の裏で音を聞くってほんと?
爪をしまえる動物と、しまえない動物がいるのはなぜか?
ラクダやシカの足が、砂や雪に沈まないのはどうして?
足の形からわかる、動物たちの意外な秘密がまだまだたくさん。
そうそう、それからもうひとつ、本書を読むとうれしい発見が!
ハツカネズミにモルモットやウォンバット——
足跡がかわいいのは、ネコだけじゃないのです。
(堀井拓馬 小説家)
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