SIDE CORE(サイドコア)は「風景にノイズを起こす」をテーマに、各地で展覧会やイベントを開催しているアートチームです。東京を拠点に、ストリートアートを切り口とした活動を展開しています。
「under pressure(アンダー・プレッシャー)」は、SIDE CORE によるEVERYDAY HOLIDAY SQUAD(エブリデイ・ホリデイ・スクワッド)の個展として、2021 年春から初夏にかけて青森公立大学 国際芸術センター青森[ ACAC]で開催されました。本書はその記録です。
SIDE CORE とEVERYDAY HOLIDAY SQUAD は本展のために、本州北端・竜飛崎の強風に吹かれながら、青函トンネルに関するリサーチを行いました。トンネルの斜坑や24 年に及んだ工事の土砂埋立地などを見学するなかで、彼/彼女たちが注目したのはトンネルの湧き水です。竜飛崎の先端では、1 分間に約20 トンもの水を海に放出し続けています。トンネルが実用化されてからも、ずっと大量の水を排出し続けている事実は、巨大な建造物を維持する為に、それ自体を環境の一部分として循環させ続けなければならないという課題を私たちに突きつけます。
本展では、まさにその「環境の循環」をキーワードに、アートセンターの巨大な建築に強風を吹き込む=換気することを試みました。パンデミックの状況は、大きな圧力(プレッシャー)となって私たちに押しかかり続けています。
SIDE CORE そしてEVERYADAY HOLIDAY SQUAD のアプローチは、その状況を遊び心と共に眼差し、この時代のアートや展覧会という制度に風穴を開けようとするものだと言えるでしょう。
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