ショパンの代表作《バラード》全曲を収録。タイトルから文学性を強く感じさせるこれら4曲が、ポーランドの愛国的詩人ミツキェーヴィチの作品──第1番『コンラート・ヴァレンロード』、第2番『シフィティシ湖』、第3番『シフィテジャンカ(水の精)』、第4番『3人のブドリス』と関わりがあることは、ショパンの存命時から指摘されていた。本書は、この4つの物語詩のあらすじを掲載し(ミツキェーヴィチの詩の訳は、音楽書では日本初!)、音楽を突き動かすドラマと、ミツキェーヴィチの詩との関連性を探る。またバラードの語源や、ショパンにとってのバラード、ショパンとミツキェーヴィチの関わりなどについて解説し、作曲当時のポーランド情勢とショパンの歩んだ道を、史実を踏まえた物語形式でイメージ豊かに語る。バラードを演奏する者は必ず「読みたくなる」楽譜。
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