安全第一、町一番の工事の会社「もぐらけんせつ」の信条は、お客さまの心に寄りそうこと。今日は、りすさん一家が相談にやってきました。
「おうちが傾いてしまったので、直してもらいたいのです」
それは大変。早速もぐらの作業員たちは大きなのりものに乗って、現場に向かいます。まず登場したのは、ショベルカー。ガガガガガガガと、木の片側の土を掘っていきます。次はクレーン車が傾いた木のおうちをひっぱり、今度は傾かないようにダンプカーで土を流しこみ、ドドドドドドドーっとブルドーザーが岩や土をどかします。
作業員たちの素晴らしい手際と、重機たちの大活躍で、あっという間に地面は平らに、傾いていた木のおうちも元通りに。りすさん一家も嬉しそう。今度は、足場を組んで、さらに新しいお部屋をつくっていきます……。
多彩なきょうりゅうが登場する絵本『ぼくのきょうりゅうかんさつ日記』(徳間書店)の作者・長崎真悟さんが、本作では大迫力の「はたらくのりもの」を手がけます。見開きいっぱいに描かれたショベルカーは、キャタピラもアーム部分も運転席も細かく正確に描かれているのに、なぜだか魅力的な生き物のようにも見えてくるから不思議です。そして、のりものを操る小さなもぐらの作業員たちも個性的。よく見ると、親方風、職人気質風、ベテラン風、女性の作業員もいたりして、それぞれの持ち場で動きまわります。見返しには名前や工事の報告書も記されているので、それぞれの物語を追ってみても楽しめそうですよね。
目的を達成しながら、お客様の希望や困りごとまで解決していくその様子は、大人が見ていてもワクワクするもの。この絵本を読めば、工事現場やはたらくのりものが子ども達の心を捉えて離さない理由も、わかるような気がするのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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まちのこうむてん、「もぐらけんせつ」が安全第一でこうじをうけおいます。
すむひと、使うひとのことをかんがえて、こころをこめて作業します。
ショベルカーやブルドーザーなど、かっこいい重機たちがだいかつやく。
たてものができていく過程を、絵で見て楽しめるおはなし絵本です。
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もぐらけんせつは、まちでいちばんうでのいいこうむてん。今日は、りすさん一家がそうだんにやってきました。
「おうちがかたむいてしまったので、なおしてもらいたいのです」
もぐらのさぎょういんたちはうたいながら、おおきなのりものにのってさっそく現場にむかいます。
「♪ほれ おせ はこべ つりあげろ あんぜんだいいち わすれずに こわして なおして ととのえて もぐらけんせつ しゅっぱつだ」
りすさんの木のおうちは、すっかりかたむいて、いまにもたおれてしまいそうでした。
もぐらたちは、さっそくこうじをはじめました。
まずは、ショベルカーが木のわきの土をほります。つぎに、クレーン車が木をひっぱり、まっすぐになおします。
ダンプカーが土をはこんできて、あいたあなに土をながしこみます。
さいごにブルドーザーがいわや土をどかして、じめんをたいらにします。
つぎの日からは、おうちのこうじ。トラックがざいもくをはこんできました。
部屋をふやして、キッチンをあたらしくして……こうじはどんどんすすみます。
「おや? このとびら、たてつけがわるいぞ。せーの……」ぱかっ
キッチンにあるとびらをあけると……?
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