メアリー・ポピンズって聞いたことはありますか?
東風の吹く日に、空からバンクス家にやってきた、ちょっと変わったお世話係のことです。メアリー・ポピンズがやってきてからバンクス家の子どもたち、ジェインとマイケルのまわりでは、魔法のような不思議な出来事がつぎつぎに起こります。笑いすぎて体に笑いガスが充満したために、宙に浮いてしまったウィッグおじさんとの空中でのお茶会、指が飴になるコリーおばさんの奇妙なお店、方位磁石で世界一周旅行をしたり、人間が動物に見られる動物園に行ったり……。そんな楽しい体験とは裏腹に、メアリー・ポピンズに不思議な出来事についてなにか質問するとフフンと鼻を鳴らしたり、キッと怒ったり、機嫌が良いのか悪いのか、謎はどんどん深まるばかり。けれども子どもたちはメアリー・ポピンズのことが大好きに。ところがある日、急に風向きが変わった日がやってきて‥‥‥。
メアリー・ポピンズが語るお話も、連れて行ってくれるところも、メアリー・ポピンズの知り合いも、ちょっとやそっとの不思議ではおさまらない、とびきりのエピソードがいっぱい。個人的なお気に入りは、ウイッグおじさんとの空中でのお茶会なのですが、読む人それぞれに心に深く残る場面ときっと出会えるはず!
想像する楽しさを贅沢に教えてくれる、イギリスの作家、トラヴァースの古典的名作。これまで映画やミュージカルなどでもたびたび上映され、長く愛され続けてきました。
アイスクリームの味がするスプーンひとさじ、メアリー・ポピンズの大好物の「木イチゴ・ジャムケーキ」、お茶会の食卓に並んだ「桃色のお砂糖でころもをかけた、干しブドウ入りの大きなケーキ」など、美味しそうな食べ物がたくさん登場するところもお楽しみです。お話と一緒にたっぷり味わってみてくださいね。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
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