何と愛らしい絵本なんでしょう。おふくさんたちの弾ける笑顔が、とってもすてき。どのおふくさんも、みんな違った顔をしています。
私は、あと少しで、36年勤めた小学校教員を退職します。その間、たくさんの絵本や紙芝居等の読み聞かせをしてきました。読み聞かせを聞いているときの子どもたちの表情は、千差万別。でも、どの子もとても愛らしい。おふくさんの笑顔が、読み聞かせを聞いてくれている子どもたちの笑顔と重なりました。
36年の間には、読み聞かせを聞いてくれず教室から子ども全員が出て行ってしまったり、喜んでくれると思って選んだ本に全く興味を示さなかったり、保護者から「読み聞かせを押しつけている」という苦情が来たこともありました。でも、子どもたちの可愛いあの表情がどうしても見たくて、めげずに読み聞かせを続けてきました。
この本の中では、怖い鬼の出現にもちっとも怯えず、逆に笑わせようとみんなで考えるところが、私は特に好き。おふくさんが、「鬼も辛いことも、ちっとも怖がらなくていいんだよ!みんなで考えたら、きっとうまくいくよ!」と、言ってくれている気がします。
この絵本を読むと、たくさんの子どもたちや大人たちがとびっきりの笑顔になることでしょう。そんな笑顔を、これからもたくさん見ていきたいです。読み聞かせも、ずっとずっと続けていきます。