どこかで見たことのある絵だと思ったら、
マーガレットワイズ・ブラウンの「おやすみなさい」の絵を担当しているジャン・シャローが絵を描いていました。
物語の舞台はメキシコです。だから主人公の男の子「チト」が町でお父さんに買ってもらった帽子は、「ソンブレロ」なんでしょうね。
(でも、本当はスペイン語で、すべての“帽子”のことをソンブレロというんですけど。この場合、メキシコ特有のつばが広くて、頭のところがポコッと大きくなっている帽子の名称として広く使われているようです。)
茶色い線のみで描かれているメキシコのの小さな町、唯一色がついているのは絵本の中に登場するいろんな帽子のみです。
淡々としたお話ですが、物語の世界がしっかり描かれていて、読めば読むほど味が出てくる感じがしました。
ただ、何歳くらいのお子さんにお薦めしたらよいか、それがちょっと難しそうです。
難しいお話ではないし、えもわかりやすいのですが、この国の様子やチトの状況が理解できるのは、小学校の中学年くらいからでしょうか。
最後のほうで、新しいチトの帽子をメチャクチャ羨ましそうに手にしている妹が印象的でした。