ある朝、ライオンのルルの前に、空からなにか光るものがぽたんと落ちてきました。食いしん坊のルルはそれを一口でペロンと飲み込んでしまいました。
ルルは、ひとほえで、どんな動物でも震えあがって逃げられなくなるのですが、その時出た声は、なんとニイ…でした。
変わってしまった声で、穴暮らしを始めたルルでしたが、新しい出会いのなかで、また違う生活が始まりました。変わってしまっても、ちゃんと生きていくことができると気づいたのは、そのことを認めてくれる存在があったからだと思います。
画面いっぱいに描かれたルルの姿がなんとも微笑ましく、そして、うさぎの行動の健気さ、ほのぼのとした絵に、慰められたような気がしました。
既成観念や、無駄な予備知識を取り払うと、もっと生き易くなるのかもしれません。