お化けのアッチと仲間たちは全員エっちゃんに憧れちゃっている。エっちゃんの前に出るとポー、くねくね。しかしみんなのアイドルエっちゃんに抜け駆けする男:ケン君が出現。エっちゃんを独り占めされると勘違いした我らが仲間たちは、二人を引き離そうとおばけカレー大作戦を開始するのだが…
憧れの人を取られまいとして、徒党を組んでセコイ悪さをする可愛い話。
ここで出てくるエっちゃんは、ブリッこしたり、弱々しい感じ(守ってあげたい系)ではなく、たくましい女子。お洒落ではあるけど、サバサバしていて行動力があり、面倒見がよく、姉御肌。頼りがいがある。
そんなに美人でもないが、性格や行動でみんなに好かれている。
ここがエライ!
周りの連中は、うわべのきれいさにごまかされないで、本質を見抜く力があるらしい。美人だけど意地悪とか、見た目はかわいくしているけどだらしない女子とかではなく、こういうタイプがみんなに好かれているのは、見ていて非常に共感できる。
(余談だが、ごく最近、お化粧をバッチリして身なりもきれいにした可愛らしい若い女子が、非常に汚く食事を食い散らかして、最悪のマナーで飲食店を利用している姿を見た。百年の恋も一瞬で冷めるぞ。食卓は汚い食べかすや丸めたティッシュで満載。食べ残しもたくさん。でも最後は口紅を塗って化粧直しは忘れない…嗚呼!)
アッチたちがやっている事は、セコイ意地悪で、卑怯で、ばかばかしい。一人でケン君に挑むということはなく、全員でやっつけようとしているのが、いかにも子どもっぽい。まだまだ子どもが「お義母さんを取られた!」「おもちゃを取られた!」というレベルを出ていない感じがする。
しかし、そんな幼いうちからしっかり嫉妬心があり、敵を妨害してやろうという悪意もある、というのが、この物語の一番美味しい部分だと思う。人間は(物語では動物たちだが)、愚かです。
はい、私も愚かです…