2011年1月の新刊なので読んだのですが、1996年4月が初版で絶版になっていた作品の新装版でした。
ルーシー・カズンズと言えば、言わずと知れた「メイシーちゃん」シリーズが知られています。
物語の主人公は、シマウマのザザ。
そのザザに弟が生まれるという設定で物語は始まります。
ママの待つ病院にパパと行って、弟とご対面。
それからのザザの生活は一変します。
当然、今まで自分1人に向けられていた時間は、弟に費やされ、ザザは1人で遊ぶことも多くなります。
パパもママも忙しい。
前と同じに自分に接して欲しい、そんなザザの心情が、手に取るように分かります。
「ママ!だっこして!」
「あなたがあかちゃんを
だっこしてあげればいいのに」
この会話後、ザザは、あかちゃんをだっこしたり、くるまにのせたり、つみきをつんだりして遊んであげます。
ザザは気付いたのです。
弟は可愛い。とても楽しいと。
我家も同じような兄弟構成だったので、こんなこともあったなと思い出され、懐かしく読みました。
同じ設定のストーリー作品は数多かれど、ここまで鋭く短い言葉で心情を表現している作品は他にないと思います。
短い文章ながら、その一つ一つが、心の琴線に触れてくるのです。
絵もその鮮やかなカラーが印象的なもの。
是非、二人目が生まれる前に読み聞かせして欲しい作品です。