物語は、とある池のほとりで一人の兵士が死んでいる場面から始まります。
それから時間軸を遡り、1時間前には・・・、○時間前には・・・、○日前には・・・、○年前には・・・という風にその兵士がその時点で何をしていたのかが語られていきます。
読んでいくうちに、その兵士は本当に特別ではなく、普通に暮らしていた一人の若者なんだということが判っていきます。その普通さに、誰でもその兵士になり得るのだと段々感情移入していきます。
その兵士が誕生したページでは、本当に祝福されて産まれてきたんだという事が伝わります。
戦争さえなければ、死ななかったかもしれないのに・・・。
一人の人間の尊さ、戦争の虚しさ・・・淡々とした絵本でしたが、それ以上に心に訴えかけてくる絵本でした。