娘といっしょに読んだ4冊目のピーターラビットの絵本です。
「ピーターラビットのおはなし」と同じ始まりですが、こちらは、ねこのきょうだい。数も4匹でなく、3匹です。「ピーターラビット」を読むときは、必ずこの部分をいっしょに声に出して読む娘・・・こちらも初回からすぐに名前を覚えたがり、“Their names were Mittens Tom Kitten and Moppet.”と、いっしょに読んだ後、今度は、誰がどの子なのか、顔と名前を結びつけるのに一生懸命でした。
この絵本の魅力は、何と言っても、こねこたちの子どもらしい表情だと思いますが、ページごとに、その愛くるしい純真無垢な子どもの姿に出会えて、とてもうれしくなります。お母さんがモペットちゃんの顔をごしごし洗っている後ろで、目を丸くして立っているほかの2匹。ぴちぴちの服を着せられたトムも、まん丸目玉になっちゃいましたね。娘は、お母さんがいたずらトムにひっかかれて、ぺろっと手をなめている絵が大好き!
よそ行きのおしゃれな服を着て、外へ出て行く3匹ですが・・・次々と目の前に現われる楽しいことや、予想外のハプニングに、子どもの本能が顔を出し始めます。だんだんと服が汚れ、脱げていき、着飾った「見せかけの姿」から、子どもらしい「本来の姿」へと戻っていく様子が、砂場や森で遊ぶ我が子の姿と重なって、ふっと笑ってしまいます。娘もまた、こねこたちと自分が重なるようで、お母さんが服を着ていない3匹のこねこを見つけると、「わあ〜、大変!」と大慌て。そして、お母さんに首をつかまれて、ぴしゃりとお仕置きをされてしまう3匹に、同情しながらも、やっぱり可笑しくて、笑いをこらえきれない娘でした。
ピーターラビットのお話はどれも、決して親が子どもに媚びず、叱るところはびしっと叱り、見守るべきところは子どもの意思に任せる、という子どもへの接し方が、子育ての上でも共感できるところです。
(編集部注:洋書版「The Tale of Tom Kitten」に寄せられたレビューです。)