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表紙の新居広治さんの骨太の版画に惹かれて手に取りました。 30年間、わらで編んだゆりかごに入ったまま、赤ちゃんのような生活を続けていた「でいだらぼう」。 不思議な老人の登場をきっかけに、ゆりかごから出て立ち上がり、育ててくれた老婆のもとを離れ、旅に出ます。 でいだらぼうがどうなるのか、お話の続きが気になり、ぐんぐん読み進めました。方言の読み方が難しいですが、音読すると雰囲気で伝わってきます。 初版は50年前。 モチーフやエピソードから、物語が何かの比喩になっているのかな、隠れたテーマがあるのかな、と思わされましたが…何かモヤモヤしてしまったので、単に新しい「大男の昔話」として読んでみると、なんとなくすっきりしました。 こういうお話もあるのだな、と気づかされた一冊です。
投稿日:2022/02/01
なんとも不思議なお話でした。 幸せなのかそうでないのか・・・。 不思議な男の子の一生のお話です。 読み手に何かを問いかけているような・・・。 娘が知っている昔話とは少し違うお話でした。 そして考えさせられるお話でした。
投稿日:2018/10/26
齋藤隆介さんの本は、自分を犠牲にして社会のためになる主人公の本が多いですね。この本もそうですが、ちょっと変わっています。主人公のでえだらぼうは、生まれてから30年間、赤ん坊のように座って泣いてばかり、その上に大飯ぐらいでした。我が家の子供たちはこれが不思議ならしく「どうして、どうして?」とさかんに聞きます。いつも、お兄ちゃん、お姉ちゃんにならないと言われている子供にとっては、いつまでも赤ん坊という存在が特別に映るのかもしれません。でえだらぼうは、旅の不思議なおじいさんに顔を叩かれると突然歩き出し、てんぐと戦って一生を終えてしまいます。こういう運命に生まれた子だったのでしょうか。いろいろなことを考えさせられる本です。
投稿日:2006/04/28
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