「かしこい王」と呼ばれるホレイショ王は8歳。算数が苦手な王さまには算数大臣がついています。それだけではありません。お天気大臣、お風呂大臣、馬大臣・・・なんでも大臣がついていて、王さまはいつも言われるようにするしかありません。
馬大臣に言われて森でたくさんの大臣とともに乗馬をしていた時、王さまの輝くかんむりをからすが奪ってしまいました!
「ぬすまれたかんむりを取り戻す大臣」がいない、と焦る大臣たち(笑)。王さまは”国中で一番大きな声のかじやを連れてこい”と命令します。かじやを呼びに行く家来が「どけどけーっ」と叫びながら馬をとばす場面で、「ほんとうはどけどけーっなんていわなくてもよかったのです。道をとおっていたのは、お使いだけだったのですから」というツッコミの文章が入っているのが面白いです。
かじやがものすごい声でからすに叫び、無事かんむりを取り戻すことができました。かじやはほうびとして金貨3箱もらいますが、直後にあわれなからすを傷つけた罰として大臣に金貨3箱をとられてしれます・・・かわいそう!
しかし王さまは翌日かじやを「ぜんぶの大臣たちの大臣」に任命して、他の大臣たちを黙らせました。そしてかじやは王さまにとって頼れるかけがえのない人になるのです。
世の中って結構、こんなばかばかしい矛盾があるように思います。それを分かりやすくユーモアをちりばめて書いてあるのかな。小学校中学年くらいから、面白さが分かってくるのではないでしょうか。私はとても楽しく読めました。