イギリスの古いお屋敷の床下に住んでいる小人の一家。
必要なものは全部、上に住んでいる人間のものを借りて暮らしています。
絶対に姿を見られてはいけないのだけど、ある日、人間の男の子に見つかってしまい…。
子どものころ、大好きで夢中になりました。
「編み棒や安全ピン、鉛筆…たくさん買っているのに、さあいるというときにみつからない、そんな家には借り暮らしのひとがいる」なんてことが書いてあって、じゃあ、うちにもいるかも!と、想像がとまりませんでした。
人間のものを自分たち用に工夫して整えた床下の家は、とっても居心地がよさそうで、そのアイディアにわくわくしました。(古い手紙の壁紙、すい取り紙の絨毯、マッチ箱のたんす、宝石箱を長いすにして、暖炉もお風呂もあるんです)
必要なものを借りに行くときはまさに命がけ。カーテンをピンを使ってのぼったり…。人間はもちろん、猫や鳥にも見つからないように要注意です。
頼もしくて勇敢なお父さんのポッド、心配性だけどしっかり者のお母さん、ホミリー。そして、賢くて好奇心いっぱいのひとり娘のアリエッティ。
お互いを思いやり、力を合わせて危機を乗り越えようとする家族の姿がすてきだなぁと思いました。
この本は、シリーズの一作目で、一家の冒険はここから始まって、まだまだ続きます。
高学年の子どもたちにぜひ読んでほしいのですが、物語の冒頭が少しわかりにくかったり、言い回しが今っぽくなかったりで、ちょっと最初のハードルが高いみたい。
慣れたら一気にハマってましたが…。
ジブリ映画「借りぐらしのアリエッティ」の原作なので、この機会にどんどん薦めたいと思います。