レオニが自分が描いた作品の中でこの『Frederick(フレデリック)』を気に入って
いるような気がして、日本語訳を読んだ時にどうもその良さが分らないので、
『チコときんいろのつばさ』に続き、オリジナルの英語版を読んでみることにしました。
読んでみると、さすが! 谷川俊太郎さんの訳は本当にオリジナルにそったもので
あって、まずそこがとてもビックリしました。
でも、私がなんとなく読み終えた後にこの話が自分の物に出来なかったのは、フレデ
リックの詩のせいだろうと思っていたので、オリジナルを読むのを、ある意味、とて
も楽しみにしていましたが、正直なところ、読んでみても、その素晴らしさが残念ながら
よく分かりませんでした。同じように思っている方がいるかもしれないので抜粋します。
Who scatters snowflakes? Who melts the ice?
Who spoils the weather? Who makes it nice?
Who grows the four-leaf clovers in June?
Who dims the daylight? Who lights the moon?
Four little field mice who live in the sky.
Four little field mice... like you and I.
One is the Springmouse who turns on the showers.
Then comes the Summer who paints in the flowers.
The Fallmouse is next with walnuts and wheat.
And Winter is last... with little cold feet.
確かに出だしをWhoでそろえて、二行ずつ韻を踏んでいて、詩の前半で謎かけにして
あるのが面白いとは思うのですが、いやはや感動するか?と聞かれたら、微妙です..
それは、もしかしたら私がネイティブじゃないからなのかもしれませんし、もしかしたら
最初からねずみの数は本文では明言されてなく、レオニの絵だけから判断するしかないの
ですが、登場するねずみはフレデリックをいれると5匹。つまり働かないフレデリックを
ぬくと4匹になるのを、この詩に出てくる季節をつかさどる働くねずみにかけているから、
面白くて、少なくとも話に登場するねずみ達にとってはねぎらいになって、「フレデリッ
クって詩人〜!!」になったのかしら?
とにかく、翻訳版の時と同じように、フレデリックみたいな芸術家の必要性は分りました
が、やっぱり私にとっては、感動するほどの絵本ではありませんでした。
レオニさん、ごめんなさい!