上方落語・七度狐より、とあります。
『じごくのそうべえ』での迫力を体感していたので、比較的すんなりと読み進められました。
岩崎京子さん再話の『しちどぎつね』に比べると、落語調が前面に出ていますね。
お伊勢参りに行く途中の喜六と清八は、空腹だったので畑のスイカを失敬。
まだ熟れてなかったので草むらにほかしたところ、運悪く狐の頭にゴツン。
この狐が、「人に一度仇をされたら七度だまして返す」という七度狐。
二人は、散々な目にあうのです。
そのだまし方が本当にしつこいです。
後半のお寺のシーンはさながら怪談。
その展開にこちらまで震え上がってしまいます。
聞き手の怖がり具合も考慮しておかなければいけませんね。
それだけに、ラストのオチで人心地ついた、という感じでしょうか。
戯曲のような文章ですので、しっかりと読み込まなければ、
読むのは少し難しいと思います。
お伊勢音頭もできれば、メロディーを調べて読みたいところですね。
田島さんの絵は型染めで描かれているとのこと。
独特の色調や絵の迫力を味わいたいです。