二ひきの犬が一ぽんの骨を掘り当て、争いになるところから物語が始まります。なんだか子どもの頃に読んだイソップ物語のような雰囲気・・と思いながらページをめくると、本当に昔話のようにいろいろな登場者(動物であったり人間であったり)が二ひきの犬と一ぽんの骨に関わってきて、繰り返しによる物語の展開は王道というか懐かしい印象を与えます。
ただ、二ひきに関わってくる登場者たちが、いずれも自分のことしか考えていない利己的なキャラクターで、「一体どうなるんだろう」と飽きさせません。一番手強くずるがしこい大きな犬の登場でどきどきし、11歳の息子は「いよいよラスボスだ・・」と手に汗を握っていました。
このラスボス・・大きな犬と二ひきは知恵比べの末ほねを守り、仲良くほねを味わいます。「まぁ、そうなるだろな」という息子の感想通りですが、何ともいえぬ後味があり、好きな絵本です。
二ひきのそれぞれの立場を表しているタイトルをもう一度読み、日頃自分の立場だけでいろいろなことを主張しすぎていないかな?と反省してしまうような妙味というか奥深さというか、そんな雰囲気の本です。