志茂田景樹というと、独特のファッションと小説家としてしか知らなかったのですが、絵本を書き読み聞かせ運動を推進していると聞いて驚いたのですが、この「こうしのぼうけん」を読んで唸ったのです。
以前、「こうしのぼうけん」は「つきとはくちょうのこ」と言うタイトルのお話しと合冊で、絵も別の人が書いていました。
そのときの印象は、力が入りすぎているというか、子どもの感覚と違うなということ。
「※メートル」という表現が時折出てくるのですが、「子どもたちは右何メートルとかいちいち考えんだろう」とか川を渡るところなどは妙にオヤジ臭さを感じたりしたものです。
今回、この絵本はストーリーはそのままに、自分が気になったところが訂正されており、絵も自分で描いています。
本気になって読み聞かせをしているのだと痛感。
絵本作家ではなく、絵本の読み聞かせが好きなおじさんの作品だと思いました。
牧場から外に出たい近眼のウシ。
親切なすずめとずるがしこいカラスに導かれてする冒険。
はらはらするところもありますが楽しい絵本です。