この本を初めて読んだ時、ものすごく衝撃を受けました。
沖縄のおばあの、若かりし日々の苦労の連続がつづられています。
石垣島は、私もバカンスで何度か遊びに行きましたが、あの素晴らしく素敵な島で、こんなに辛い思いをして、必死に生き抜いてきた女性がいたことに、とても驚きました。
今でさえ、夜ともなれば、島の山は真っ暗な所で怖いものです。昔は、尚のことだと想像できます。
その暗闇の中を毎日毎日、家族のために必死に走り続け、看病し続け、布団で寝ることなど皆無だったのです。
家までたどり付いても、布団まで行く元気が残っておらず、毎日縁側で寝てしまうということに、ひどく衝撃を受けました。毎日布団で寝ている私には、本当に信じられない驚きだったのです。
しかも、追い討ちをかけるように、病人に対する周囲の冷たい偏見の目にさらされ、決して誰も頼ることもできなく、それでも絶対にくじけることもなく耐え抜いた姿は、本当に感動の一言では、言い表せないくらい複雑な気持ちになりました。
こんな風に強く生き抜くたくましさを、現代に生きる私たちも見習わなければいけない。
でも、はたして私が同じ立場にたった時に、同じことができるでしょうか。私には、とてもできそうもありません。
ヨーンへの道、それは獣道でした。
自分が、いかに恵まれていて、幸せであるかを嫌でも実感してしまいます。
こんなどん底の中で生き抜いたおばあが、この本に描かれた時には、幸せそうに歳を重ねていることに、とても安心しました。
絵本としては、長いお話です。生きる姿勢を描いた、訴えるものの強いお話なので、小学高学年から、中学、高校、大人までに読んでもらいたいな、と思いました。