まだ4月だというのに、30度を超える日が2日続き、その後また急に真冬の寒さに戻ってしまった日に、この本を出してきました。幸い、いちごはまだ色づいていなかったけれど、いちごばたけのおばあさんがいたら、きっとあわててしまっただろうな、と想像してしまいました。大人でも、本当に、土の中におばあさんがいるような気がしてくる・・・そこがこの物語の素晴らしいところだな、と思いました。
中谷千代子さんの絵は、温かみがあって、どの絵本を読んだ後も、心に安らぎを感じます。この絵本は、赤いいちごのお話ですが、絵本全体から受ける印象は、紫・・・。特別な、素敵な色合いでした。
娘は、はけでいちごを赤く染めていくおばあさんを、「ペンキ塗りのおばあさん」と呼んで、この本の題名も、そのように覚えています!そして、「おばあさんは、どうして土の中に住んでるの? おばあさん、もぐらさん?」と聞いてきました。おばあさんが一生懸命いちごに色をつけた翌日、一面真っ白に雪で覆われてしまった絵を見て、娘もはっと息をのみました。でも、次の瞬間、すぐに娘の顔がほころび、うさぎやりすやいたちといっしょになって、喜びを表現していました。
でも、急に、去年の夏のことを思い出し、「Jの畑のいちごは、悪い鳥さんに食べられちゃって、悲しかった。せっかく赤くなるの待ってたのに。」と、しょんぼりしてしまったので、「今年は、いちごばたけのおばあさんが来てくれるといいね。」と言うと、「うん!きっとおばあさんが守ってくれるね!」と、笑顔になった娘でした。