以前、ロンドンのパディントン駅構内にて「パディントングッズ」を
売るお店を見た時に、「ああ、くまのパディントンにあやかってこうい
うお店を出しているのだなあ」と思ったのだけれど実は逆でした。
あの時はこの物語を読んだことがなかったから。
あの時、読んでいなかったことが悔やまれる。
読んでいたならば、「どうぞこのくまのめんどうをみてやってください。
おたのみします」と書かれた荷札のような紙を首から下げた小さなくま
が駅の片隅にいないかきっと探したのになあ。
私達はその後アフリカ行ってまたロンドン帰ってきて、それからニュー
ヨークに行ってやっと日本に帰るという旅の途中であったからこぐまを
連れての旅はおそらくハードだっただろうからいなくてよかったのだろ
うけれども。
パディントンは本人(本くま?)言うところの「暗黒の地ペルーからの
密航者」だ。ペルーのことをそんな風に言うなんて、いかにもイギリス
の作家が言いそうなことだなあと思った。ペルーでずっと一緒に暮らし
ていたルーシーおばさんがリマにある老くまホームに入ることになり、
ひとりで生きていかなければならなくなったのだ。
リマかあ。このお話が書かれた時代はきっといい街だったのだろうけれ
ど、私が旅した時は(ニューヨークから南米行ってまたニューヨークに
戻ってきてそれからこのロンドンにやってきたのであった。もう二度と
こんな落ち着きのない旅はしたくないのであった)とても治安が悪く、
「首絞め強盗」もよくあったので、あまり印象がよくない。ルーシーお
ばさんは大丈夫かしら?老くまホームの中にいる分には安全なのか。
パディントンはかわいい。
とてもかわいい。
だいたい私は動物が大好きだから、かわいいに決まってるんだけれど、
とにかく「生まれてはじめて」のことばかりで、興奮したりとまどった
り喜んだりしながら、優しいブラウンさん一家と一緒に暮らすのだ。
またパディントン駅に行きたくなってしまった。
娘ももうちょっと大きくなったら読んでほしいな。