「ビビさんと ゾウ」 みんなの声

ゾウさんの大きさにインパクトがあるので、抽象的なまとめ方に、釈然としない絵本です。
みんなが広い心で、仲よく暮らせるようになったら帰ってくるものって何でしょう。
きっと誰にも大切で、失って誰もが初めて気づくものなのでしょう。
そう考えると、あんなに大きなゾウなのに、ビビさんの家で大人たちが家具の細部にまでゾウを探す滑稽さが意味ありげに思えます。
窓の外には小さくゾウの姿が見えていたりするのですが。
謎解きのような絵本でした。

表紙の素敵なイラストに惹かれ、手に取りました。
ビビさんはおおきなゾウをペットにしているおばあさん。
豪華な家具も宝石もお金にも興味はなくて、ゾウのそばにいられたらそれでいいと思っていたのに、周りの大人たちが町からゾウを追い出そうとして……。
とてもハッとさせられるおはなしでした。
イラストもとても素敵なので、大人にぜひオススメしたいと思いました。

柔らかな文章とかわいらしい絵で、大切なことを教えてくれる絵本でした。

いつもそばにあるから当たり前のように勘違いして、失って初めて気づくことって、ありますよね。
街の大人たちにとって、それはビビさんとゾウだったのですね。

彼女たちを傷つけてしまった思い出は消えないけれど、反省して改めれば、いつかは許してもらえるかもしれない。
そんなかすかな希望が余韻として残る、激しくて静かな絵本でした。