2009年のコールデコット賞 オナー賞受賞作品。
著者は、オクスフォード版わらべの本にある
This is the key of the kingdomにヒントを得てこの作品を作ったそうです。
分章は短く、次の分章は、前の一文から単語を抜き出して輪のように繋がっていきます。
おそらく、英語版で読めば、その韻を踏んだ分章のリズム感が味わえると思うのですが、谷川俊太郎さんが補っているのでしょう。
ストーリーは、大きな展開もなく、家族が散歩から帰ってから眠につくまでの出来事を書いています。
本から飛び出した鳥と一緒に子供が空を飛ぶというシーンもありますが、それほどメインのストーリーではなく、あくまでも脇役。
シンプルな分章と絵で、純粋に本を楽しむという趣のもので、マザーグースのような作品が受け容れられるのと同じ理由で評価が高いのでしょう。
版画のように見える細かい線で描かれた絵は、モノクロ+黄色というシンプルなもの。
夜を上手く表現していて、実に効果的な技法だと思います。
読み聞かせは、幼稚園に入る前ぐらいからが適切かも知れません。