早くに母親を亡くした主人は、この絵本を聞くたび「いい話やなあ」と言います。ウチの子たちは、ついつい母ぎつねに感情移入して読んでしまう私に「お母さん、どこにも行かないよね?」と不安がります。
一昨年、私の母が急逝し、その後二年間、それまでしょっちゅう熱を出していたウチの子たちがかぜひとつひきませんでした。ああ、きっと母が子どもたちを守ってくれているんだなと感じました。と同時にこの絵本を何度も思い出しました。
主人公の母ぎつねは、子どもと別れる際、「子どもが人様から誹られないように、不自由なく元気に暮らせるように。いつも見守っているから」と、子どもを抱きしめ歌います。母の深い深い愛情に共感せずにいられません。