作者の長崎源之助さんは、私の大好きな作家さんの一人なのですが、この絵本も彼の作品のご多分に漏れず、長崎さんの“小さな者へのやさしいまなざし”をとても感じる話でした。
みんなより、ちょっと年が幼いからという理由で、みそっかすにされてしまう子供の悔しさ、そして、仕方がないから一人で遊び始めて、逆に“一人遊びの創造と想像の世界”にはまってしまうところなんて、本当に子供の心理や行動を代弁してくれているなぁと感心してしまいます。
そして、最後のゆきごんが溶けてしまうところの、「ぽかぽか天気であせをかいてやせる」とか、そして「悲しくて泣けば泣くほど細くなる」という表現の仕方にも、感服しました。
ストーリーは、みきおくんの気持ち→ゆきごんの気持ち→みきおくんの気持ちと動きますが、
2人の気持ちが上手くバトンでつながれているようで本当に良かった。
息子の反応はいまいちで、ちょっと残念でしたが、でも、“ゆきごん”という名前は彼の記憶の片隅に残るのは確かだと思います。それで十分です。
是非、冬の1冊として、また、みそっかすさんで悔しい思いをしているお子さんにもお奨めです。