このお話を読み終えたとき、正直、「これって、どうだろう…?」と思いました。
放課後、先生の机の中で偶然見つけた、ご褒美シール。
1枚もシールを貰ったことがない友だちのために盗み出してしまいます。盗み出した子も、あまり出来がよいほうではないようです。
友だちを思うがゆえにおこしたこと。ひとの痛みを理解できる、優しい子。できれば、この子を責めたくはありません。
著者さんが、あとがきで書かれているように、シールに過大な価値を持たせてしまった先生こそが責められるべきなのかもしれません。
でも、やっぱり先生の机を勝手に開けたり、友だちの為であってもシールを盗み出すのは、絶対にいけないことです。
友だちを思う優しい気持ち、評価の方向性に対する疑問。
素晴らしいメッセージが込められているだけに、犯罪にもなりうるこの行為を否定しないまま、友情物語として締めくくられていることが、残念で仕方がありませんでした。
こどもは、この行為をいいこととらえてしまうだろう…。そう感じたので、あまりお勧めできません。