ごんぎつね・・というと、子どもの頃から聞いたり読んだり
してきた物語の印象は、すごくしめっぽくて悲しい感じ・・だった
のですが、この絵本は違うなあと思いました。そこがすごく
いいなあ。ごんの気持ちもそれほど言葉では書かれていないので
押し付けがましくなくって。最後のシーンも余計なことが書かれて
いないので、やはり押し付けがましくなく、余韻が残る感じで。
新美南吉さんが書いたこの物語、私がふれてきたものは、もっと
脚色されていたのかもなあと思いました。だけど、美しい物語には
余計な脚色なんて必要ないのですよね。
この絵本は、余計な脚色はされていないのですが黒井健さんの
叙情的な挿絵のせいで、やっぱりとっても美しくて、品がある
絵本だと思いました。