知っている者どうしなのに、友だちの友だちは自分の友だちじゃない。
集団で遊ぶことの少なくなった子どもたちの世界は、不思議な友だち関係になっているようです。
B君と遊ぶときには、友だちのA君は仲間に入れない。
友だちのA君と遊ぶときには、B君は一緒には遊ばない。
これって「ともだちごっこ」なのだろうか。
「みんなで仲良く遊べばじいじゃないか」と思う親心とは別に、一緒になるとコミュニケーションがうまくいかないらしいのです。
キツネ君と一緒に遊びたい女の子のテン。
わがままで、キツネ君とオオカミ君の仲に意地悪をしかけます。
でも「ごっこ」じゃないと思うな〜。
テンちゃんは、本当にキツネ君と友だちになりたいのです。
オオカミ君を裏切るような罪悪感にさいなまされるキツネ君。
キツネ君とオオカミ君は最後には解り合えたけれど、友だちってそんなものだろう。
テンちゃんは寂しそうですが、遠くから笛を吹いています。
シリーズの他の本のように、「あいつもともだち」になれば良いのに。
と思いつつ、レビューの振り出しです。
子どもたちにも本当の友だちを見つけてほしいと思います。
「ともだちごっこ」は「ともだち」には勝てない。