ここのところ「図書館を使った調べる学習」が公共図書館や学校を含めて盛んになってきています。
一方で、パソコンはなくてもスマートフォンなど携帯端末があれば、いつでもどこでもインターネットを使って調べることができるために、書籍で裏の取れた情報で調べるという経験が、大人も子どもも少なくなっているのも実情。
そのような中で、お子さんが「お父さん、○○ってなあに?」など、質問をしてきたら、一緒に図書館へ行って調べよう!という、この本のコンセプトはとても素晴らしいと思います。
2014年春に発表された平成25年度「学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究」で、「平成25年度全国学力・学習状況調査の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究」(国立大学法人お茶の水女子大学)によると、子どもの成績に、幼少期の絵本の読み聞かせなどの読書活動と、親子で図書館を利用した経験が影響を与えることがわかりました。
なので、ぜひぜひ図書館で親子で調べる学習をしてほしい。その初心者へのガイドブックとしては良いと思いますが、内容的には同じ作者の『調べ学習の基礎の基礎』(ポプラ社)のほうが、「なぜ本なのか?」ということがよくわかり、まとめ方まで丁寧でわかりやすいので、敢えてこちらの本をすすめる気にはなれません。
また大学図書館を「学術機関」と呼ぶのは納得出来ますが、公共を含めて図書館全体を「学術機関です」と言明するのは、図書館学的にも無理があると思います。(教育機関ではありますが)
なので、星3つにとどめました。