主人公の可愛らしい「さぼてん」は、まさに、今現在、色々な事で悩んでいる、子供(もちろん大人も)達の様です。
みんな最初は、希望をもって生まれてきて、素直に育っていくはずなのですが、お友達や他人と接していく中で、少なからず、傷ついたり悩んだりすることが有りますよね。
その時に、相手に向けてトゲを飛ばすことが出来れば、トゲまるけにはならないのですが、出来ないので、自分がトゲまるけになり、腫れ物に触るような感じを周りに与えてしまったりする・・・。決してその子は悪くないし、本当は、人一倍優しくて綺麗な心を持っているのに・・・。考えただけで、心が痛みます。
人知れず泣いて、涙が渇いてしまったら、雨を降らせて、綺麗な花を咲かさせてあげる。
雨は、哀しんだり苦しんだりしている子を助ける、親や大人、お友達の助けの様です。
色んな事で悩んだりしている、すべての人(子供)に、もちろん今は悩んでいない人にも、ぜひ読んでほしいお話です。
特に、いじめで悩んでいる子には、この本から、自分ひとりじゃない事、救いの手は必ずある事を知ってほしいですし、逆にいじめている子には、傷つくということが、どういう事なのかを知ってほしい。そう思わせてくれる一冊です。