羊にされた若者たちはカリーナ姫と国の半分を欲したけれど、羊飼いの若者は、領土を欲しない代わりに羊にされた若者たちを人間に戻すことを望みました。
そして結果的に、より豊かになったのです。
富よりも誠実さ。
その誠実さが、姫の心と富を引き寄せたのですね。
このようなお話の展開はありがちですが、そのことに初めて触れたような、新鮮な気持ちになりました。
それは、姫が素直だったこともあるでしょうし羊飼いの若者が誠実だったこともあるでしょう。
でも何より響いたのは、王様の姫を想う気持ちだったかもしれません。
とても丁寧に描かれた、素敵な絵本でした。