林木林さんと岡田千晶さんのコンビの『ひだまり』『こもれび』3シリーズの最初の作品です。
生きていくことが始まったばかりの赤ちゃん。それを見守る両親。このろうそくは、我が子の幸せを願っておかあさんが作ったもの。
人間だから、生きていればいろいろあります。でもこの絵本と出会い、温かな光に見守られて大きくなってきたことを改めて気づかせてくれます。
月が庭中を明るくするのと比べ、身の回りしか照らせない自分をちっぽけに思ってしまうろうそく。
赤ちゃんはやがておばあさんになります。おばあさんはろうそくに語りかけます。「こわかった夜も、悲しかった夜も、あなたのあかりにみまもられて、どんなにこころづよかったことでしょう。おひさまよりも、お月さまよりも、こころのいちばんおくまでそっととどくのよ」
ろうそくは、自分の灯す小さなあかりを大事に思ってくれる人がいたことを知り、生まれてきて本当によかった、と思います。そして最後の火は静かに消えていきました。
この絵本をそばに置いて、心にあかりを灯し続けていきたいです。