メキシコからアメリカに移民してきた家族の、さまざまな葛藤や心の育ちが淡々と描かれていて、移民問題を考えさせられる作品になっています。
先ずは貧困問題でしょうか。
決して豊かではない大家族は、ゆとりを持った生活が出来ません。
家族の絆がギスギスしてしまって、生活は暴力的で不安定。
父親が妻を家から追い出すところまで荒んでしまいました。
次に言葉の障害。
学校に通っている長男の他は、英語を話せないので回りの人とのコミュニケーションが上手く取れません。
ロベルトが移民問題を象徴して描かれていているように感じます。
人と馴染めなかったロベルトが、友だちを作ったのは英語を理解するようになったからでした。
また、たどたどしい英語で、母親に手紙を書いたことが、崩壊しかけた家族を回復するのです。
この作品から色々な事を考えることができると思いますが、何より表紙裏にあるロベルトの手紙が本題。
家族って子どもたちに支えられているのですね。