寓意に満ちたお話です。
あるあるこんな勘違い大賞ナンバーワンの絵本です。
転がってきた王冠は偶然でも、肩書きで人格まで変わってしまう人間を嫌というほど見てきたので、大人にはかなりブラックに響く物語です。
偉くなったと思う人と、責任を感じる人の距離感、自分のことしか考えられなくなる人と、人のことを考えるようになる人の極分化、この絵本、シニカルに核心をついています。
一人舞い上がっている羊と、ほとんど相手にしていない他の羊の関係が、どこかの世界とピッタリです。
王冠を失ってただの人になった羊の社会に忍び寄る、次の王さまの不気味さ。
怖いですね〜。