第1作目で感じた違和感をやはり感じてしまいます。
絵本ナビのインタビュー記事も読みましたが、1作目で指摘された矛盾点を、なんとか取り繕うとしているとしか思えません。
父親不在の指摘をかんたろうが描く似顔絵の「パパ」で、父親はいるとアピールしたりしているのが、苦し紛れの言い訳に聞こえて来ます。
第1作が32万部という絵本としては異例の売れ行きだったのですが、どんなに著者が「命」の大切さを訴えた本で、命を軽視したわけではないと言っていても、そこには真剣さが感じられません。
ほかのインタビューで、著者は「母親の存在を当たり前と思って感謝しない子どもにビンタをはる目的で描いた」、つまり母親の存在の大切さを知らせるために子どもたちに「ママが死んでしまうこともあるんだぞ!ママを大事にしろ」ということを伝えたかったと述べています。
母親の存在のありがたさを伝えるのに、わざわざ子どもが辛いと思う「母親の死」を使わなくても、伝えている絵本はほかにもたくさんあります。
また葬儀の様子を描いていますが、まったく別人の遺影をそのまま使うことは、現実の世界ではありえないことで、それをユーモアだいうことはできません。あまりに軽率で、ここにも「死」への軽視を感じます。
子どもも真実かどうかを見分ける力を持っています。こんなこどもだましの絵本を手渡す必要はないと思います。