ずっと気になっていた作品です。
『じろはったん』という児童書で有名な、森はなさんの作品。
野施行という風習を織り込んだおはなしです。
寒中、食べ物に困ったキツネからの被害を防ぐために、
油揚げなどの食べ物を供える風習を、
キツネの親子の視点から紡ぎます。
雪が続いたある日、お腹を空かせた子ギツネの様子が切ないです。
必死で食べ物を探すかあさんギツネの姿も痛々しいです。
民家からニワトリを、というくだりでドキッとしますが、
そう、生きていくためなんですね。
そんな中、救われたのが、大寒の晩の野施行。
人間にとっては、被害対策でしょうが、その心根にほっこりです。
まさに、共存の心。
ずっと伝えられてきた風習、小学生くらいから、しっかりと受け止めてほしいです。