小さくなって捨てられてしまったクレヨンが、自分はまだ何かの役に立てるはずだと一念発起し、ゴミ箱を飛び出して出かけます。
その先々で色々なものを綺麗に塗り直してあげるのですが、最後にクレヨンが塗ってあげようとした物にビックリ!
読み終えた後、息子は「えっ、この続きはないの?」と驚いていましたが、クレヨンのその後は読者の想像に任せるという終わり方もとても良いと思います。
自分の持っている物全てを捧げてでも、誰かの役に立ちたいと願う姿は、オスカー・ワイルドの「幸福な王子」を彷彿とさせます。
クレヨン君にとって一番辛いのは、自分が小さくなってしまう事ではなく、誰の役にも立てない事なんですね。
物を大切にする事、そして自分の持っている物を惜しみなく他人に分けてあげられる心を持つ事。この絵本は大切な事を私達に伝えてくれます。