おとうさんは、気球で飛ぶ訓練をずっとしていました。そして、いよいよ今日はひとりで飛ぶ日です。ねこのヘンリーは、ずっと飛びたいと思っていました。でも、おとうさんは、ねこと一緒に飛ぶなんて、まっぴらだと思っていました。飛ぶ準備をしている時、おとうさんはカメラを忘れていることに気付き、かごから飛び降りました。そのすきに、ヘンリーは、かごに飛び乗ったのです。
ドキドキしました。だって、気球に乗っているのは、ヘンリーだけです。上へどんどん上がっていきますが、降りることができるのでしょうか。きれいな空、次々に空で出会う鳥たち、下に広がる景色等、美しく描かれていて、そんな心配を忘れてしまいそうになりました。
ちょっと信じられないようなお話ですが、本物そっくりに描かれているねこの様子を見ていると、もしかしたらこんな猫いるかもしれないという錯覚におそわれそうでした。