赤の国と青の国との戦争は、互いに兵士が減り消耗していくにもかかわらず、いつまでたっても終わる気配がありません。
そんなとき、戦争をやめさせるためには必要なものは軍隊ではなく、知恵であることを、この絵本の主人公ファビアンは教えてくれます。
私は、黄色の国が実際に存在していたことに驚き、手を組んで赤の国と青の国とが黄色の国に攻め入ることはないだろうかと心配したのですが、今や王となったファビアンが治めている黄色の国です。もしそうなったとしても、ファビアンは知恵を使って乗り越えていくことでしょう。
それに、いまや赤の国と青の国の人々が生活する村となったかつての戦場には、誰も戦おうとするものなどいなかったに違いありません。
もし今の日本が世界で担えるものがあるとすれば、このファビアンの役割だろうと思います。軍事力ではなく、戦争が起こらないよう交渉や話し合いを行い、戦争をしている国があれば、仲介役として外交を行っていくことだろうと、この絵本は改めて教えてくれました。