上方落語『さくらんぼ』の頭に生えた桜の木の発想に度肝を抜かれていたら、今度は頭に柿の木が生えてくるというお話に遭遇。
話は似ているものの、かなり性格を異にしておりました。
飲兵衛で怠け者のじろべえさん。
毎日仕事を休んではお酒を飲んでおります。
二日酔いの薬にとおかみさんが差し出した柿の実。
種もそのまま飲み込んでしまったら、あらあら頭から柿の木が出てまいりました。
根が明るいじろべえさん、頭の柿の木に出来た柿を売ってまた酒浸り。
商売の邪魔をされた、柿作り農家の者たちが柿の木を切ってしまうと、次はキノコが…。
こうして、頭の上が次ぐ次と様変わりするのですが、全く動じないじろべえさん。
最後まで酒を飲み続けでありました。
このようなお話にうってつけの田島征三さんの絵。
ダイナミックな絵を背景にしているだけに、読み聞かせに適していると思います。