「この本読んで。」
と、幼稚園の子どもが持ってきました。読んでいるうちに、だんだん怖くなってきたようで、少しずつ少しずつ、後ろに下がっていく様子に、思わず笑ってしまいました。
お話の内容もなかなか怖ろしいのですが、なんといっても、迫力のある田島征三さんの絵が、その気持ちを倍増させてくれます。
むかしむかしのお話です。あるところに、とうさんとかあさんと、娘が三人暮らしていました。ある日、とうさんが、山で木を切っているうちに、疲れて疲れて、思わずあくびをしたら、山男が現れて、娘を連れていってしまいました。そして、その娘は、うそをついたばかりに食べられてしまったのです。
三人目の娘が大活躍。これはよくある昔話のパターン。
うそをついてはいけないこと、正直で、機転がきくことで救われるということに気づかされます。ただ、このお話、最後の場面では、少し心が痛みます。何かいい解決策、なかったのでしょうか。