ことりが死んで泣いている、くまの姿が印象的です。表情はよくわかりませんが、確かにくまは泣いているのです。
やまねこがくまの悲しみに寄り添ってくれたおかげで、くまはことりの死を受け入れることができたのでしょう。
友人が悲しんでいるときに、自分は友人になんて声をかけられるか、悲しみに寄り添うことができるか、深く考えさせられました。
くまの心が癒されていくにつれ、モノトーンの中に鮮やかなピンクの色がくわわっていきます。
中表紙に描かれている死んだことりの姿はモノトーンですが、後半、再び描かれていることりには、ぬけた尾羽のかわりに葉っぱを結ぶために使った糸がピンクにそめられています。まるで、くまの心の中で、ことりが生き返ったかのように思えました。
くまとやまねこが旅立っていくシーンは、希望にあふれています。モノトーンにもかかわらず、色鮮やかな世界が見えてきます。
子どもには少し難しいかもしれませんが、子どもだからこそわかることがあるように思います。
何回でも読みたい絵本です。