文を石井桃子さん、絵を中川宗弥というコンビの1968年の作品です。
その前年には、このコンビで「ノンちゃん雲に乗る」の絵本版を出版しています。
それにしても、2008年の4月2日に石井さんが101歳でお亡くなりになられたニュースは記憶に新しいところですが、その関わった本の数に脱帽です。
日本の絵本の歴史に大きく影響を与えたのは疑う余地のないところでしょう。
そして、絵は中川宗弥さんが描かれていますが、あの「ぐりとぐら」の中川季枝子さんのご主人だと聞き、ビックリしました。
お話は、ありのありこがお使いを頼まれたのに、寄り道をしていてかまきりのきりおに呑み込まれてしまうところから始まります。
でも、そのきりおも、むくどりのむくすけに呑み込まれと、どんどん食物連鎖が続いていきます。
エンディングは、みんな仲良しになるのですが、一番のシーンはありこが謝るシーン。
とても清々しくて共感を覚えました。
リズミカルで読みやすい文章、奇麗な絵、練られた構成のストーリ−ととてもバランスの取れた作品です。
しかも、楽しいだけではなく、そこには、しつけに繋がる教えも盛り込まれているのです。
安心して、読み聞かせ出来る絵本というのは、こういう絵本のことを言うのだと思います。
ただし、文章は長めなので幼稚園に上がるくらいからが適切な対象年齢かも知れません。
古さを全く感じさせない名作です。