うさぎ工場の檻の中で暮らしているうさぎたち。
自分たちが自由だった時代に食べた食料も、飛び跳ねることも忘れてしまったうさぎたち。
ベルトコンベアで流れてくるエサを食べて生活しているうちに、何が幸せなのか忘れてしまったうさぎたち。
本当に幸せであるわけはないのに、外に出ることが怖いうさぎたち。
社会レベルのマインドコントロール。
非日常的な設定だけど、笑っていられるほど自分たちは自由なのだろうか。
捕えられて檻に閉じ込められたうさぎがいた。
自由が欲しいから逃亡する。
檻で育った灰色うさぎとまだ子どものうさぎのコンビは、同じことをしても感じることは正反対。
灰色うさぎは、外の世界がなんと怖いところなのかと、安心できるうさぎ工場に帰りたいのです。
自分の未来が想像できない箱の中の幸せ。
少し暗いことを除くと、きわめて写実的で説得力のある絵に、不気味さを感じました。